vol.41 いつでも己を磨く

2015/08/25

「苦しみは終始やってくる。どこでもあるからいつでも自己は磨ける」と言った人がいました。苦しみも心の持ち方で決まってくると思います。

しかし、手前勝手な欲望である煩悩にまつわりつかれて安易な方へと流されがちになってしまい、なかなか変われない自分が嫌になって、修行を投げ出したくなることもあります。うぬぼれでない自信に至る道ははるかに遠いと思います。

“違いを寛容し、異質を認める”といったことがありますが、自己を磨くうえで、自分の考えの枠組み(観点)を一旦脇に置いて、自分と異なる枠組みを持つ相手の発言を理解しようとすることは大切なことです。そうすることで、相手が見えるようになり、相手の話が「分かる」ようになり、自分自身が見えなかった所も見えるようになります。

自己評価では「非常によい」つもりでも、他人から見るとそうはいえないというように、自分の「つもり」と「他人の目」との間のズレが生じてしまいがちです。それを正すことは、一つの修行ではないでしょうか。

一歩一歩努力して修行を続けているかぎり、少しずつ向上し続けていることもまた事実です。「いつでも己を磨く」を常に言い聞かせ精進いたしましょう。
(宗務局長 中川 英昭)