vol.16 三重津東道院 道院長 浜崎哲也

2011/07/14

まず指導者がキラキラ輝いていること夢は経済豊か、時間豊か、思い豊か、3拍子そろったコミュニティづくり
三重津東道院 道院長 浜崎哲也

大導師・正範士七段、410期生。1964年、三重県生まれ。83年、関西外国語大学少林寺拳法部に入会。大学卒業後、日本電信電話株式会社に入社。90年、NTT三重少林寺拳法部を設立。94年、三重津東支部道場を設立、99年三重津東道院へ移行、現在に至る。

三重津東道院 道院長 浜崎哲也

aun_genki_vol1_2道院長になろうと思ったきっかけは?
20代で実業団支部の支部長になりましたが、支部活動だけでは限界があると感じていました。少林寺拳法を通して金剛禅を教えるための道場をつくる必要性がある。本当に使えるもの(技法、思想)を教えるためには道院の存在は不可欠であると考えていたからです。若気の至りでもありましたが……

道院での指導方針や指導法の工夫を教えてください。
使えるものを教えること。拳技だけではなく生き方につなげることが指導方針です。

具体的には、まず修行目的を明確にさせること。現在の自分はこのままで本当によいのかを問いかけます。言い訳をせずにしっかり自分自身を見つめ、本当に変わる必要がないのかを問うことから始めています。何のために少林寺拳法を行じるのかを考えます。

考えが変わると行動が変わり、行動が変われば結果が変わるということを、道院内だけにとどめずにふだんの生活に反映させることが重要です。

夢を具体的な目標に置き換えるためのプロセスを指導することを心がけています。現在の立ち位置と目標の明確化をすることの必要性について、繰り返し話をするとともに行動させるように努めています……

aun_genki_vol1_3道院長冥利に尽きると思ったことは何ですか?
金剛禅の教えを一般拳士のほとんど皆さんが理解してくれており、自発的に少年部指導を行い、新春法会や各種行事についても、私が何も言わなくても段取りができているなど、主体性を持ってそれぞれが行動していることです。本当に私一人では何もできない、ありがたいことです。

少年拳士については、少しずつですができないことができるようになり、それぞれが自信につながっていくのを目の当たりにしたとき、とても感動します。

aun_genki_vol1_4道院長として、今後挑戦したいことや夢はありますか?
道院は宗教活動、すなわち、人としてよりよく生きる方法を教える場です。そのためには、道院長や幹部がキラキラ輝いていることが大切です。

開祖は本当に尊敬できる存在ですし、その教えは伝えていかなければならないことですが、開祖を直接知らない人に開祖のすばらしさや教えばかりを伝えてもあまり説得力はないと思います。「そういうあなたはどうなんですか?」と問われたときに、「私は今こんなことをしていて、現時点でこんな結果も出しているよ」と言えたほうがわかりやすい。道院長が生活に疲れ、年金や病気の話ばかりをしていたら、若い人たちは目標にしたいと思うでしょうか? 

私は仕事以外のビジネスでも、実績を積み上げています。そして、その過程を若い人たちに見せるようにしています。開祖も組織が大きくなっていくところを実際に見せたうえで、夢を語ったから、人はついていったのではないのでしょうか。その上で、こんな私でもこれくらい豊かになれた。欠点だらけ弱い私でもこれくらいはできた。だからあなたたちならもっとたくさんのことができますよと。

無限の可能性があると語る道院長を見たときに、それは本当だと思ってもらえるよう、絶えず自分磨きをしておく必要性を感じています。

自分の夢は、拳士とともに、幸せコミュニティをつくること。具体的には、この道院に入ったから、人生が本当に実のあるものになった。経済豊か、時間豊か、思い豊かになったというコミュニティをつくろうと考えています。……

aun_genki_vol1_5最後に、将来指導者を目指す全国の拳士へエールをお願いします。
考えながら行動すること。足を止めていては何も始まりません。勉強して努力すれば必ずできます。ただ、方向性を間違ったら失敗します。失敗は成功の母といいますが、失敗しないにこしたことはないので、方向性を見定めることが必要です。

現時点の自分の立ち位置の確認と目標の明確化、これを押さえればすばらしい仲間の集まりになり、自分一人ではできなかったことが少しずつできるようになります。とってもしんどいですけど、とっても楽しいですよ。