Vol.19 地球の未来のために……

2014/02/01

パソコンのみならず、携帯電話やスマートフォン、そしてタブレットの普及率がどんどん上がる中、いつでもどこでもインターネット検索が瞬時にできる時代です。

これだけ簡単に得たい情報が得られると、ついうっかり検証もせず信じ込んでしまうことも多いのではないでしょうか。逆をいえば、一度にたくさんの人を騙したり先導したりすることも容易にできるということです。

選別や分析をする、いわゆる「見極める」というとても大切な作業は、情報量が多ければ多いほどいいとは言い切れず、「何かおかしい」「なぜ?」という感性と問題意識が働かなければ、結局は惑わされることになります。

2月初旬に行われる、東京都知事選挙の争点の一つともいわれている原発問題も同様ではないでしょうか。原発推進か脱原発か……、そして電力不足もいわれます。しかし、本来私たち国民が考えるべきことは、今の自分たちの生活レベルを維持するためなら、後始末のできない死の廃棄物を、子や孫に押しつけても仕方がないとするのかどうかです。

私は常に、「人」に基準を置くべきだと考えています。確かに私も便利な生活には惹かれます。しかし、人は他人(ひと)を幸せにするために生まれてきます。だから、自分のこれまでどおりの便利な生活のために、かわいい孫に負の遺産を遺せるかといえば、NO! です。「原発推進」には、子や孫に対して希望ある未来を遺すための、“神話”ではない“安全な後始末”という責任が伴います。地球は使い捨てにはできないのです。「環境保護」「動物愛護」という言葉はあふれていますが、自分以外の「人」には向き合っていないような気がします。

少林寺拳法には、「半ばは自己の幸せを、半ばは他人(ひと)の幸せを」という教えがあります。自分さえよかったら……というような、もうこんな人間を卒業しなければ、地球の未来はありません。