vol.26 浜名新居道院・浜名湖西道院 道院長 藤森正和

2013/01/26

大きな夢を掲げ、門下生と一緒に自分も成長したい
浜名新居道院・浜名湖西道院 道院長 藤森正和

大導師・准範士六段、398期生。1965年8月、静岡県生まれ。1983年、聖隷学園高等学校(現・聖隷クリストファー中・高等学校)卒業。呉竹鍼灸専 門学校で学んだ後、2001年4月、フジ療院を開院、現在に至る。95年2月、浜名湖西(はまなこにし)道院道院長交代により道院長に就任。2000年 10月、浜名湖西道院から浜名新居道院に名称変更。2002年2月、浜名湖西(はまなこさい)道院設立。2道院の道院長として現在にいたる。

浜名新居道院・浜名湖西道院 道院長 藤森正和

aun_genki_vol11_02道院長になろうと思ったきっかけは?
私は、開祖宗道臣先生が他界された2年後に、16歳で入門しました。開祖を知らない世代ですが、道院長にご指導いただき、開祖のお話を伺い、そして技術・思想を語られそれを実践しているバイタリティーあふれる人柄に触れ、「こんな先生がいるのか?」と驚きました。日々の修行も楽しくワクワクしていました。そして、少林寺拳法の思想も手伝い、私もいつかは道院長に、と強く憧れ、道院長となりました。

aun_genki_vol11_03藤森正和 道院での指導方法の工夫を教えてください。
指導方針……「明るく、楽しく、元気よく」
私の信条……「やる気、本気、元気」
保護者には……「やらせてよかった」
拳士には……「やってよかった」と思ってもらえるような道院づくりを目指しています。当たり前ですが、金剛禅読本34~35ページ「修行の心得(技を上達させる八つの心得)」を徹底して実施しています。

技術修練においては、資格別に分かれて有段者(資格が上のもの)を1名つけて科目の面倒を見てもらいます。私は巡回指導的になりますが、1科目について5回くらい相対修練を有段者のもとに行い、できたら私が個別に10点満点中何点と評価し、ここを直したらあと何点と伝えます。そして、担当となった有段者にポイントを促し、再度修練、できたら同じように評価をする、といった事を繰り返し行い、全員できたら有段者にも「よく指導できたね」と労をねぎらい指導達成の喜びを分かち合います。子ども中心の道院ですが、子どもには子どもの世界があるので、このようにすることで「上下関係・横のつながり」を肌で感じさせてあげる環境をつくっています。

読本の学習では、読本を中心に話すのではなく、問いかけ中心に行います。事件・事故・学校での出来事等を題材に「こんなことがあったけどどう思う?」と問いかけ、意見をのべさせる。それに対して、私はこう思うと私なりの考えを言う。そしてそれの題材に近い読本の項目を選び、読本にはこんな風に書いてあるんだよということを知らせ、知識の幅を持たせるように務め、判断は自分でしてもらいます。決して「こうだ!」と決めつけないように心がけています。
 

aun_genki_vol11_04道院長になって出会った感動のエピソードをお聞かせください。
小学校卒業と同時に少林寺拳法を休眠してしまう拳士がほとんどで、復帰者は依然少ないのですが、街中で私を見かけても無視することなく声を掛けてくれたり、なかなか復帰できなくても少林寺拳法のことを気にしてくれている様子をうかがうと嬉しいですね。また、最近では、少年部の時に来てくれていた拳士が、結婚、出産し、自分の子どもを再び私のところに預けてくれました。しばらく連絡どころか姿すら見せたこともなかったのですが、「少林寺拳法」を自分が習ってよかったから子どもにも習わせたい、と言ってくれたことが嬉しいですね。
 

道院長として今後挑戦したいことや夢はありますか?
私が憧れて道院長になったように、「私も道院長のようになりたい」と思って自立してくれる幹部が育って欲しいです。浜名新居道院は専有道場ですが、浜名湖西道院も専有道場を建てたいですね。それから、市内に6小学校、5中学校、2高校があり、指導者が育って各中学校区に道院をつくりたいですね(現在2つ達成)。そして、高校少林寺拳法部にまで広がり、湖西市が少林寺拳法としてもっとも盛んな団体になっていけたらという夢を持っています。欲張りすぎかもしれませんが、「夢」がなかったら楽しめませんから(笑)。大きな夢を掲げています。
 

aun_genki_vol11_05最後に、将来指導者を目指す全国の拳士にエールをお願いします。
道院長になれば責任がついてまわり、善くも悪しくも全て背負わなければいけません。これを負担に思ったらダメだと思います。拳士が日々の修行の中で技ができた時の満足な顔、昇級・昇格考試で合格した時の嬉しそうな顔、大会で入賞できた時の喜ぶ顔、それを見たとき「あー、やっていてよかったな」と思います。指導者として一番解き放たれる瞬間です。皆さんも、ぜひささやかな感動体験を積み重ねて、自分も一緒に成長しましょう。