vol.30 讃岐府中道院 道院長 山下真司

2013/09/26

「強く・やさしく・たくましく」、道院での経験を誇りや自信にしてほしい
讃岐府中道院 道院長 山下真司

大導師・正範士七段、387期生。1961年1月、香川県坂出市出身。1979年、県立坂出商業高等学校卒業後、三和シャッター工業株式会社に入社。 KSS(株)を経て、2005年より山下石材工業を設立、1981年、坂出中央道院に入門。2000年、讃岐府中道院を設立、現在に至る。

讃岐府中道院 道院長 山下真司

aun_genki_vol15_02道院長になろうと思ったきっかけは?
学生時代は野球漬けの日々でした。高校卒業後、運動やスポーツは特にやっていなかったので20歳になり友人の誘いで軽い気持ちで坂出中央道院に入門しました。

しかし、続ける中で金剛禅の思想、開祖の教えに少しずつ影響を受け、気付くとどっぷり少林寺拳法にはまっていました。いつかは地元で布教活動をできればと思い続けていたところ、友人・知人の強い要望に加え、育ててくださった当時の倉本光坂出中央道院道院長や近隣道院長のご協力・ご理解をいただき、縁あって道院開設に至りました。2000年、自宅の横に道場建設と同時に道院を始めました。
 

aun_genki_vol15_03道院での指導方法の工夫を教えてください。
「強く・やさしく・たくましく」。楽しいことや苦しいことなど道院活動を通して得た様々な経験が、社会に出た時に100分の1でもいいので本人の誇りや自信につながればと思っています。厳しさの中に優しさを心掛けていますが、現実はなかなか……日々修行です。

指導法の工夫は特にありませんが、拳士は皆、順番に鎮魂行の主座と打棒に取り組んでもらっています。人前に出た時に胸を張ってきちんと立ち振る舞うことができればと思い全員必ず行います。
 

aun_genki_vol15_04道院長になってからの感動エピソードをお聞かせください。
道院を初めて半年経たない時期に、会社の統合で広島への転勤or退社を選ばなくてはならなくなりました。仕事か少林寺拳法か、少し迷いましたが20年以上務めた会社を後にしました。3人の子どもと妻を途方に暮れさせる訳にもいかず、道院も拳士が入門したばかりで不安な顔も見せられず、とりあえず上を向いて今できることをやろうと前へ進むことにしました。まさに「ピンチをチャンスに変える時」そう思うしかありませんでした。友人の紹介で造船会社に就職しましたが、夜勤もあり4年ほど務めた後、自営業を始め現在に至っています。今思えば、苦難を乗り越えることができたのも、家族、友人だけでなく道院の拳士の存在があったからです。道院で拳士たちと共に成長していく喜びを共有できたことや、何よりも笑顔が心の支えになりました。
 

aun_genki_vol15_05道院長として今後挑戦したいことや夢はありますか?
まだまだ自分磨きが必要だと思っています。その上でさらに一般拳士の指導者を多く育て、共に向上していきたいです。夢を語りにくい時代ではありますが、前を向いて進みたいです。

※ 写真は節分祭での奉納演武

 

aun_genki_vol15_06最後に、将来道院長を目指す全国の拳士にエールをお願いします。
仕事、家庭、少林寺拳法を両立させるにはたいへん厳しい時代です。が、続けることが力となり、開祖の志に近づけると信じています。

※写真は夏のデイキャンプでの記念撮影