vol.34 福岡玄洋道院 道院長 益永亮

2014/05/27

苦労なくして喜びを得ることはできない、道院長への道を踏み出しましょう!
福岡玄洋道院 道院長 益永亮

中導師・准範士六段、362期。1960年12月、熊本市出身。79年、福岡大学少林寺拳法部に入部。83年、博多道院に転籍。84年、福岡大学工学部卒 業後、福岡市消防局に入局。93~2003年、福岡大学少林寺拳法部監督に就任。03年2月、福岡玄洋道院を設立、現在に至る。09年より福岡県連盟理事 長、同県教区副教区長も務める。

福岡玄洋道院 道院長 益永亮

aun_genki_vol19_02道院長になろうと思ったきっかけは?
もともと、道院長を補佐する立場に私自身のやりがいを見出しており、博多道院の副道院長として、師匠である梅野清嗣博多道院道院長を支えていく覚悟でした。しかし、師匠から道院長交代の話があり、それをきっかけに道院長になることを考えました。結果として、諸事情により道院長交代ではなく、自宅近くに道院を新設することになってしまいましたが……。また、当時、地元の小学校のPTA役員として企画した護身術講座が好評で、地元からの後押しにも勇気づけられました!
 

aun_genki_vol19_03道院での指導方針・方法の工夫を教えてください。
指導方針は「『気づく』そして『行動』」「一緒にやろう!」です。何事も気づかないと始まりません。気づいたら行動することが大切です。また、事にあたっては、やらせるだけではなく、一緒にやろうという精神を大切にしています。

指導法として工夫していることは多数あり、状況によって変化させています。その中でも「5分間学科」「音楽を使ったウォーミングアップ」「広報紙(毎月)」は不易で行っています。

「5分間学科」は、毎回行う鎮魂行の内容、読本の内容、自由テーマなどを私と幹部拳士が輪番で担当しており、学ぶ側ばかりでなく担当する側も成長していることを実感できます。

「音楽を使ったウォーミングアップ」は、ダイナミックストレッチ、肩タッチ(軽めの運用法)などの準備運動で、テンポの良い曲を流しながら実施しており、修練の雰囲気づくりに役立っています。

「広報紙(毎月)」は、「福岡玄洋スクラッチ・パッド」という名称で、A4判タテを2分割した構成で、当道院内の出来事、エピソード、コラム、翌月の計画表などを盛り込んだものです。拳士や保護者に向けて発信し、相互理解いただくための必要不可欠なツールです。
 

aun_genki_vol19_04道院長になって出会った感動エピソードをお聞かせください。
子供の成長に喜んだ保護者からの感謝の手紙、拳士や保護者からの悩み相談、転校後に修練に顔を出してくれた拳士、高校受験で休眠中の拳士が合格の報告とあわせて修練に参加してくれたこと、「この技ができたよ」「分かりました」とニッコリ笑顔で話してくれた拳士、「先生を全国大会に連れて行ってやる」と真剣に大会に向けて修練した拳士、私が悩んでいると相談に乗ってくれる門下生の存在、etc。日々の修練を通じて、道院内外において当たり前におきる、人と人とが繋がった瞬間のエピソード全てが感動ものです。多くの人と関わっているなぁ、一人じゃないんだ、と感じることができる私は幸せもんです。開祖曰く「一生懸命頑張っていたら、必ず手助けがある」は本当ですよ!

 

aun_genki_vol19_05道院長として今後挑戦したいことや夢はありますか?
ある時、小学生の門下生が、「僕が大人になったら、先生の後を継いじゃーけん」と嬉しいひと言。その言葉に勇気づけられ、様々な分野で活躍できるリーダー(指導者)としての基礎を持った拳士を一人でも多く育て、将来は道院長交代し、一拳士として新道院長を支えながら、少林寺拳法の楽しさを伝えつつ、私自身も少林寺拳法を一生楽しみ続けたいです。
 

aun_genki_vol19_06最後に、将来道院長を目指す全国の拳士にエールをお願いします。
「苦労なくして喜びを得ることはできません」

道院長になるため、また道院長になってから、苦労は必ずあります。しかし、道院長として得る「喜び」から「苦労」を引き算しても、多大なる「感動」が残ります。

道院長を目指す、また目指そうとしている拳士の皆さん、時流を読んで「ここだ!」という時期がきたら、躊躇せずに思い切って踏み出しましょう!