vol.40 福岡大野城道院  道院長 松田和子

2015/05/02

みんなとつくる道院という家、笑顔の連鎖で明るい毎日に!
福岡大野城道院  道院長 松田和子

中導師・大拳士、五段、464期。1978年7月、福岡県大野城市生まれ。1987年11月、9歳の時に太宰府水城道院(原田佳典道院長)に入門。1991年12月、原田道院長の福岡大野城道院設立に伴い転籍。以後、受験期などで一時休眠しつつも継続。2008年8月、道院長交代により福岡大野城道院道院長に就任。2001年、福岡大学法学部卒業後、エイエヌエス会計事務所に入社、現在に至る。25歳で結婚し、夫と愛犬と生活。

福岡大野城道院  道院長 松田和子

道院長になろうと思ったきっかけは?
前道院長の体調不良等で道院継続が困難になり、廃止の話が出てきた時のことです。突然のことで、それぞれが転籍を考え始め、拳士数は少ないものの子どもたちの保護者間でも話し合いがありました。そして、保護者の方から「このままでは子どもたちがバラバラになってしまいます。和子さんが道院長にはなれないですか?」とお電話をいただきました。それまで道院長になるなど考えたこともなく、不安は大きかったのですが、お世話になっている近隣の先生方に相談したところ、背中を押してくださいました。当時、大好きな母を亡くして数ヶ月の頃で欠乏感が大きく、心が不安定で何事にも身が入らない状態が続いていました。そんな生活から脱却したいという思いもあり、道院長になる決意をしました。

道院での指導方針・方法の工夫を教えてください。aun_genki_vol25_02
何事もまだ未熟で、自分にできることは少ないと自覚しています。そんな私が道院長でよいのか、門下生に申し訳ない、と思い悩んだこともありましたが、技術と教えの両方を懸命に学び努力し続けるしかないと思い、とにかく一生懸命励んでいます。

私自身が努力し、変わっていく姿を見せることが、私にできることだと思っています。足りないところは、私より人生経験の長い年上の拳士の方や、子育て経験のある拳士・保護者の方々がサポートしてくださっています。それぞれの持つものを持ち寄ることで、道院の可能性は広がり、指導層も厚くなります。福岡大野城道院という家づくりを、みんなで模索しながら築いているところです。

道院長である私が常に笑顔でポジティブであることは門下生の笑顔につながります。笑顔の連鎖を日々、心掛けています。また、毎月、道院長一言や連絡事項等を記した日程表を発行して、拳士や保護者とのコミュニケーションをとることを大切にしています。

道院長になってよかったことは何ですか。aun_genki_vol25_03
道院長になってすぐの道院行事(納会)の時、右往左往していたところを、食事づくりをしていた少年拳士のお母さんから、「先生はドシッと座っていてください」と言われました。お母さん方の温かい思いが伝わってくるとともに、「道院長の役割は他にあるのですよ」と教えられた気がして、その時、覚悟が定まりました。

数年前からは、保護者の方の提案・作成で「福岡大野城新聞」が不定期で発行されるようになり、拳士の成長やみんなの笑顔が記録されています。節分では豆まきを企画し運営してくれる若手の男性拳士がいたり、地域行事に積極的に携わってくれる幹部拳士がいたり、ホームページを作成し毎月更新してくれる副道院長がいたり、みんなの思いと支えに感謝と感動の日々です。

道院長としてこれからの夢は何ですか?
私自身のこととしては、まず、道院長として大導師を取得することが責務であり優先事項としています。

道院のことでは、道院で育った拳士が幹部拳士となっていくことです。キャンプや行事を企画運営してくれるなど、現在、年長者の方々がしてくださっていることが受け継がれ、次世代の人達が中心となって動いてくれるようになると嬉しいなぁと思います。若手の子たちが企画して動き、年長者は温かく見守ると共にここぞというところで的確にサポートする、そんな光景が見られるよう、私自身がアンテナを伸ばし、積極的に動いてみんなと共に前に進んでいきたいと思います。そして、いつか、若手の子たちから道院長が生まれ、地域にももっと道院が増えて、金剛禅の教え、少林寺拳法の輪が広がることが夢です。

最後に、将来道院長を目指す全国の拳士にエールをお願いします。aun_genki_vol25_04
自信もなく不安だらけのスタートでした。もちろん今も苦労はありますが、それを大きく超える喜びと、なにより一人ではないことを日々感じています。最近、私の中に、少しずつではありますが、どう生きるか、柱(軸)のようなものができていることを、仕事や日常生活の中で実感するようになりました。育てられているのだと思います。

一緒に道院長として踏み出しましょう!共に笑顔で歩みましょう!!