vol.43 まず実行の人たち

2015/12/01

 9月、台風18号の豪雨により鬼怒川の堤防が決壊し、常総市が大きな被害を受けました。するとすぐに現地入りし、迅速に復旧活動に取り組まれる道院長・拳士の姿が見られました。同時に、全国各地の大会や講習会において募金活動が始まったと聞きました。同様の状況は、私の知っているだけでも、阪神・淡路大震災、東日本大震災でもありました。
 今回の被災地では、茨城をはじめ関東の道院長・拳士や、現在も復興支援を続ける 「陸前高田チーム」 が活動されていますが、改めてその仕事を見ると、 「決断が早い、手際がよい、よき人が集まる」 という特徴があります。現場には、トラックや発電機、高圧洗浄機、大型のタンクなどの機材が持ち込まれ、骨身を惜しまない拳士による息の合った動きと相俟って、それは見事に作業が進みます。各地での募金や救援物資集めもそうですが、有事の際、困っている人を助けようと、多くの知恵が集まり、力を合わせた活動が、勢いよく全国で展開されます。 「よいと信ずればまず実行してみようではないか。これが金剛禅のあり方の基本なのである」 という開祖の言葉を目の当たりにし、少林寺拳法グループに所属できることを誇りに思うとともに、微力ですが、そのあり方を後進に伝えることに努めていきます。
(東京別院 別院長 藤井 省吾)