少林寺拳法オンラインマガジン

道院長になろうと思ったきっかけは何でしょうか。

道院長になりたいと漠然と思ったのは高校１年生の夏、初めて３級の昇級　試験を受けた時からありました。
ただ、きっかけとしては、本山本部で受講した少年部指導講習会でした。講師の先生方や多くの仲間と共に語り合い、自分が歩む道は何なのか、自分は何ができるのか、自問自答したあの少年部指導講習会が道院長としての今の私の原点だと思います。

道院での指導方針や、指導法としての工夫を教えてください。
少年指導講習会で昔、初めて教えてもらった言葉です。
「やってみせ、言って聞かせてさせてみて、ほめてやらねば　人は動かじ」山本五十六の名言です。
自らやってみるってこのスタイルはずっと守り続けてます。まず自分がやって見せる。まず自分が笑顔で楽しく笑ってしまう。
まずは自分からやるということは心掛けています。逆に自分が出来ないことは人に指導出来ない欠点もありますが・・・（笑）とにもかくにも道院長が楽しく修練を続けることが、子ども達に良い影響を与えているようです。当道院は、幼年部、少年部、一般部と分けて指導していますが、夢は年配の拳士向けの　　壮年以上の部をつくること。あと、夫婦、親子で構成される家族の部をつくることが私の夢ですかね。
決してクラスを分ける必要性は無いんです。ただ目標や年齢に合わせた指導が出来たらもっと少林寺拳法が楽しくなると思っています。
また、コース制の修練プログラムも時おり行いながら取り組んでいます。

最近、印象的だったエピソードをお聞かせください。

２０１５年１１月７・８日と受講した少年部指導講習会で、“読み聞かせ”は子どもの想像力を養うお話しを講聴しました。
生まれてこのかた読み聞かせなど一度もしたことのない私にはかなり荷の重い話しでした。
ところが、その後、道場で入門式を行い、式典終了後に何か子ども達にしてあげたいなと考えた瞬間に頭に浮かんだのは“読み聞かせ”でした。おもむろに本棚から手にとった書が幼児用の絵本“うんちっち”。我が子にもしたことのないこの私が読み聞かせをしたんです。
幼児用の、なんにも難しくない本でした。
生まれてから４５年で初、道院設立１０年で初でした。子ども達のキラキラした笑顔が私に押し迫ってくるんです。凄いんですよ！　笑　笑　笑　
わっはは　わっはは。障害をもっていていつも下向き気味な子どもも、普段おとなしい子どもも、親に言われてしぶしぶ道場に来ているような子どもも、みんなみんな、笑顔なんですよ。本当に驚きました。なによりも私自身がとても感動しました。素敵な笑顔をみんなありがとう。感謝　感謝（＾＾）

道院長として、今後挑戦したいことや夢などを語ってください。
現在愛知武専の講師として在籍させて頂いています。これからも大先生方から沢山ご指導頂いて、技法も教えも共に研究していきたいです。
小学生の頃、大人になったら学校の先生になりたいと夢を持っていました。残念ながら学校の先生にはなれなかったけど、今は道院長として多くの子ども達と楽しんでいます。これからも多くの拳士に夢や希望に向かって歩んでいける勇気や行動力を体得してもらえるよう指導していきたいと思っています。
私の目標は、あこがれている大先生方に少しでも追いつきたい、そのステージに立ってみたい。そこから見える景色を私も共有してみたい。
具体的には少年部教化育成委員であり、武専教員になること。無理な夢とは解っていても、そうなりたいと思う気持ちだけは一生持ち続けて今日の修練も頑張ります。

最後に、将来、道院長を目指す全国の拳士へ、ひと言エールをお願いします。
私はサラリーマンです。日々遅くまでの勤務で目が回りそうです。
道院長って大変だな～　って他人事に考えていた幹部時代がありました。　奥様に事務を手伝って貰っている先生や、やむを得ず修練を不在にし、幹部に任せている先生を見ていると尚更厳しい～な～って思っていました。でも、今日の修練に会いたい人が来ると思うと何が何でも仕事頑張れちゃうんですよね。
今日の修練でコレを伝えたいと思うとワクワクしちゃうんですよ。楽しみにしている拳士が沢山くると思うと泣き言いってる場合じゃないんですよ。
今の自分に出来る事をひとつひとつ増やしていったら、道院長になってしまったっていうのが本音かな。道院長は特別な存在じゃない。
夢は大きく、志を高く、今の自分をほめてあげれたら、明日はもっと頑張れると信じています。