vol.45 魔法の言葉

2016/06/01

 「あそぼ」今日もこの魔法の言葉が道院に響き、“オニごっこ”や“だるまさんがころんだ”などで、少年部の拳士たちが元気に大きな笑い声で走り回ります。修練開始までの約20分間、学年の違う子どもたちが一緒に遊ぶ貴重な時間となっており、またそれ以外の効果もあるようです。まず、少年部の団結力が深まります。上級生を中心にみんなで遊ぶ。自然とコミュニケーションがとれ、連帯感とともに秩序が育まれます。次に初めて体験入門や見学に来られた子どもたちとも、あっという間に仲良くなり、溶け込んでいきます。保護者に連れられてきた子どもは、初対面の子どもたちと、慣れない場所(仁王様と達磨さんがドンと正面に構えている道院は、威圧感があるようです)に大変緊張しています。ところが、「あそぼ」の一言と笑顔で、たちまち緊張の表情は消え、修練開始の頃には、すっかり打ち解けています。
 「集合」19時ジャスト、もう一つの魔法の言葉が道場に響きわたります。この一言で今までの喧騒が嘘のようになくなり、全員が整然と整列し、鎮魂行が行われます。(初めて見た保護者は一様に驚かれます)鎮魂行の主座と準備運動のリーダーは、少年部に設けている主将・副将の役目であり、道院長は少年部の時間に一度も「集合」を掛ける必要がありません。現在の主将・副将は「第十三代」を数えます。「あそぼ」「集合」の魔法の言葉は、「初代」から絶えることなく受け継がれています。
(浜松渡瀬道院 浅井 昌典)

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