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vol.58 温かく柔らかく育ってほしい

2018/05/01

 幼稚園年長の子どもを道院に通わせていますが、最初道院で“絵本の読み聞かせ“と聞いた時、道院は修練を行う場だと思っていたので珍しい試みだなぁと思いました。
 しかし修練後などの短い時間ですが、仲間とお互いの体温を感じるほど肩を寄せ合って一緒に笑い、読み手の方に自然に体と目を向け、相手の話を熱心に聞いていることに気が付きました。なるほど少林寺拳法に通じるところがあるかも・・・と感じました。
 絵本の読み聞かせのあった日は帰りの車中で、読んでもらった本の話を自分からしてきます。「どうだった?」と聞くと子どもなりの感想や気持ちを私に一生懸命伝えようと言葉にします。一度だけしか読んでもらったことのない話でも、しっかり覚えて帰って来るものなんですね。自然に語彙が増え、表現が上手くなったと思います。また、きれいで正しい言葉と、友達同士などで使えるラフな表現の言葉があることも分かってきている様子です。親も言葉遣いに注意しなければとも思いました。つい親が先回りしてしまいがちだったけれども「○○したらどう思う?」「どうなるかな?」と子どもに考え、想像させることを心がけるようになりました。(なかなか難しい部分ですが)
 今、自分や他人を大事にできないことで、悲しい事件にまで発展することが多い世の中です。自分を大切にする心、他人を大切にする心を育てることが肝心だと思いますし、それが一番難しいことだと思います。子どもを見ていると読み聞かせの後、何かしら心に響くところがあるようです。これからも少林寺拳法と絵本の読み聞かせを通じて、少しでも温かく、柔らかい人に育ってくれたらいいと思います。
(福岡大野城道院 瀬戸山隼門の母)