Vol.60 直心をモットーに……

2018/06/07

日大アメフト部の、試合中の悪質タックル事件に端を発し、監督やコーチからのパワハラ問題が連日取り沙汰されています。今やセクハラやパワハラ、アルハラなど各種ハラスメントについては、組織や個人として避けて通れない課題となっています。

  私も39年間組織の責任者として、これらの問題に対する対処を様々に経験してきました。その基準は、組織の長としては「逃げない」。判断は「ブレない」。改善は「あきらめない」。私自身ひとりの人間としては「直心(自分にも他人にも卒直に)」をモットーとしてきましたから、今回の事件や、国会でのモリカケ問題の答弁、中央省庁の文書改ざんや隠蔽工作と受け取れる行為には、異常なストレスを感じています。

  また昨日は追い討ちをかけるように、神戸市での中3女子生徒の自殺に関し、当時イジメの実態について同級生らへの聞き取りをし、イジメが原因と判明していたにもかかわらず、市教育委員会の首席指導主事と校長が相談し、遺族に対し「存在しない」と虚偽の説明をしていたと発表されました。ましてや、その理由が「事務処理が煩雑になるため」と説明されたのです。

    日本社会はここまで壊れてしまったのか……との思いです。

   アメフト部の加害者となってしまった選手の謝罪にみられた問題意識と潔さや、被害者とその家族や関東学生アメフト連盟の現状認識と決断も、自分たちがどうなるかではない将来を憂いての問題提起であったと思います。超少子高齢社会だからこそ、どう生きるべきなのかの範を、国から示していただきたいと思うのは、私だけではないでしょう。

  トップは知らないことも責任です。「自己責任」の感覚麻痺には気をつけたいものです。