vol.63 岡山真庭道院 道院長 黒田靖

2019/03/01

岡山真庭道院 道院長 黒田靖

道院名  岡山真庭道院
道院長名 黒田靖
生年月日 昭和49年10月23日 44歳
出身地  岡山県真庭市阿口
拳歴   2005年1月 倉敷道院 入門
     2013年10月 岡山真庭道院 運営許可
     2014年10月 岡山真庭道院 認証

岡山真庭道院 道院長 黒田靖

「今何をすべきか」を考えて行動する

私が入門した倉敷道院は、自宅から車で1時間半かかる場所にあり、仕事帰りに修練を続けていましたが、次第に足が遠のき休みがちになっていきました。しかし心の中では、「地元に道院があればもっと練習できるのに…」とも思っていました。そんな折、近隣道院の道院長、拳士達との懇親会の席で、「地元に道院を設立するのが夢です」と先生方や先輩方の前で話したのがきっかけとなって、師である白神三郎道院長に背中を押され道院を設立、道院長になることになりました。

私は、「今何をすべきか」を常に考えて行動することが必要だと考えています。それは、一人の人間でも、その場その場、その時その時で立場が変わります。今、自分が置かれている立場を明確にして行動することが大切だと考えているからです。

このため私は、修練が始まる前までは普通のおじさんであり、いざ修練が始まるとあくまで指導者としての立ち振る舞いを心掛け、修練とその前後のメリハリを付けるようにしています。

また、少年部の拳士に対しての指導方針としては、出来たことに対して、褒めるのではなく認めることを心掛けています。なぜなら、褒めて育てるのは、保護者の役目であり、指導者の役割は、あくまでも拳士の向上心を養う事であると考えているからです。

道院長なってこそ少林寺拳法の醍醐味がわかる

道院の運営は、思っていた通り大変なものですが、その分やりがいもあります。新米道院長の私には、運営面においても指導面においてもまだまだ課題が多いと感じています。

今は、周りの先輩方の助言や助けを借りながらなんとか日々をこなしている段階ですので、開祖の言われた、真の指導者になることが当面の目標です。しかし、この当面の目標はきっと到達することができない、永遠の目標なのではないかとも感じています。また、この目標こそが生涯修行である少林寺拳法の醍醐味そのものではないかと考えているので、毎回の修練がとても楽しみです。

自分で居場所を作る

振り返ると、私はいろんな場所で自分の居場所を自分で作ってきました。中学では自ら手を挙げクラブの部長を務め、高校では新しい部活を立ち上げて活動し、そして社会人になってからは、バンド活動を行うため、友人の協力を得て練習するための音楽スタジオを自分で作りました。

現在は修練時間に間に合わせるために、私の理解者が設立した会社に所属し、道院の拳士に迷惑の掛からないようにすることに成功しています。家族は最初、やはり多少の不満もあったようですが、今では、金剛禅の活動を理解して、私を応援してくれています。何事も一所懸命に努力すれば、それが正しいことであるならば、自然と周りも理解を示してくれ、協力してくれることを実感しています。もちろん、協力してくださっている方に対し、感謝の意を伝えるため、私からも積極的に奉仕することを心掛けています。

道院運営は楽ではありませんし、それなりの覚悟も必要だと思います。私は、道院長資格認定研修会での面接の際、「道院長という責務を自分自身に課すことが、最大の修行になると考えています」と答えました。この考えは、今でも変わりません。金剛禅を最良とし、少林寺拳法の修行にやりがいを感じている拳士であれば、道院長という仕事は、最高の修行の場になるはずです。自己確立の教えを身に付けるためには、多少の困難や苦しいことであっても、それを乗り越えやり通す、くじけない心が必要だと思いますし、それを門信徒たちと一緒に鍛え、身に付けていってほしいと思います。