vol.70 名古屋港道院 道院長 桑原誠司

2020/05/01

名古屋港道院 道院長 桑原誠司

生年月日:1977年7月20日

出身地:名古屋市生まれ名古屋市育ち

最終学歴:東海工業高校卒業(現 愛知産業大学工業高等学校)

職業:名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄) 東山線運転区 藤が丘操車 勤務

資格:甲種電気車動力車操縦者運転免許等

大導師 大拳士 五段 436期生 (名古屋港道院3代目道院長)

名古屋港道院 道院長 桑原誠司

バトンを引き継ぐ

小学生の頃、引っ込み思案な私に「少林寺拳法をやってみようか」と初代道院長の板垣應久吾先生に声を掛けられたことが入門のきっかけでした。それ以来35年、途中就職で休眠した時期もありましたが、健康診断で運動不足を指摘されたことを機に復帰し、修行を続けております。

私が三段の印可を受けた頃から、先代の森繁先生より「四段を取得したら道院長を交代してくれないか?運営には一切口出ししないし、好きなようにやっていいから。」と何度か言われ、2014年4月バトンを引き継ぐ決心をし、道院長になりました。

 

病を乗り越えて

道院長になって3年が経った時、右手母指の皮膚がんを告知され、右手母指を半分以上切断しなければなりませんでした。さらに、入院中に代務をお願いしていた、森繁先生も倒れられ、これからどうしようか本気で悩みました。道院長を交代してもらい、少林寺拳法も辞めようかと考えるときもありました。しかし、門信徒や保護者から「完全復活、待っていますよ」「先生の道場で、少林寺拳法をやりたい」と言われたときは心の底から嬉しく、そしてもう一度頑張ろうと決意を新たにしました。そして昨年、大導師/大拳士/五段の目標を達成しました。金色の線が入った袖章を着けた時はやはり嬉しかったです。人生はいつどうなるか分かりませんが、諦めず挑戦し続ければなんとかなるものだと実感しました。

いつでも使える専有道場として

私の経験から道場はいつでも自由に使えるようにしています。それは、私が複雑な家庭環境の中で育ち、精神的に弱いところもあったのですが、板垣先生から「なにかあったら名古屋港道院へ来い。お前は一人じゃない」と言って頂いたことが印象深く残っていて、今でも続けている原体験だと感じているからです。

そのため名古屋港道院では、現役・休眠に関わらず門信徒がいつでも自由に使えるよう開放しております。皆の心の拠り所として、皆の専有道場をこれからも守っていきたいと考えています。

金剛禅の指導者に

道院では修練の合間の五分程度、私の経験談や時事問題を取り上げ、その日の道場内の雰囲気を見ながら法話をします。堅苦しい話しではなく、気楽に聞ける、解りやすい法話をするように心掛けています。保護者の方から「先生の話が好きだと子供が家で話していますよ~」とLINEを頂くときは非常に嬉しく思います。

これは板垣先生から、道院長は門信徒に良い影響を与え、心に残る存在にならなければならいと教わったからです。

仕事を持ち、家庭を守りながら道院運営を継続していくことは決して楽ではないと思います。しかし今からの時代にこそ開祖の教えが必要だと思います。そのためには、技術中心ではなく、教えと技術の調和した道院長を目指してほしいと思いますし、私自身もそのようになれるよう、現在も日々修行に励んでおります。道院幹部の皆さん、少林寺拳法の指導をするだけではない、金剛禅の指導者(布教者)をともに目指しましょう!!