vol.73 あわら東道院 道院長 小玉将臣

2020/11/01

あわら東道院 道院長 小玉将臣
あわら東道院 道院長 小玉将臣

◆「このままの私に何が残るのか」-道院長を志したきっかけ
私が道院長を志したのは、既に道院長として頑張っていた父、姉、兄の影響が大きかったと思います。休日に家族の元に帰ると、拳士との触れ合いや、練習、将来の話と、生き生きとした話をしてくれる姿が、私にとって刺激的だった事を覚えています。
多くの人(拳士)と触れ合い、苦楽を共にする事ができる仲間がいる家族を見て、「このままの私に何が残るのか」という疑問にぶつかり、同じ目標に向かう仲間づくりを目指し、道院長を志しました。

◆「仲間を大切に」をモットーに
道院では、「仲間を大切に」をモットーに指導しています。小学生は中学生が、中学生は高校生が教えるといった環境を作っています。憧れの先輩から言われれば、何度も繰り返し挑戦する心が芽生える一方、一生懸命練習している後輩に、どのように教えれば理解してもらえるだろうかと、悪戦苦闘して教えている姿の中で絆が生まれ、仲間づくりが育まれているように思います。

◆第二の父の教え
社会人として心掛けているのは、「時間を作る」という事です。これを意識するようになったのは、「言われた事はすぐに答えを出せ」と専門学校卒業後入社した、㈱矢野興業の社長であり、元高千穂道院長の、矢野文昭先生(現:㈱矢野興業グループ会長及び宮崎県少林寺拳法連盟会長)に、叩き込まれた教えがきっかけとなっています。
仕事の電話を受けると、5分後には「どうだった」と折返しの確認があり、「まだ連絡していません」と答えると、「言われた事は即行動」と矢野先生に叱られる日々でした。時間を作るには即行動し、ひとつひとつ片づけていく事が大切だと教えていただき感謝しています。私にとって矢野先生は第二の父親とでもいうべき尊敬する存在です。

◆地域に根差した道院を目指して
地域では、中学生の合同修練の場を作ったり、高校の部活を設立したりして、小学生から高校まで、少林寺拳法で汗を流せる環境づくりに取り組んできました。それは、開祖が抱かれた、青少年育成の志を継承していきたいとの考えからです。
小学生で始めた拳士も、少林寺拳法を通して大学に進学したり、高校卒業後に社会人になり、道院に戻ってきてくれたりする拳士もいます。この拳士が、道院長、所属長を目指し、次の世代に繋いでくれる事が、私の夢です。その為にも、地域に根差した道院を目指し、人を育てることのできる道院長として挑戦し続けたいと思います。

◆道院長にしか咲かない花
私の好きな言葉は、「雪に耐えて、梅花麗し(耐雪梅花麗し)」という、西郷隆盛が甥に送った言葉です。雪の厳しい寒さに耐えて美しく咲く梅の花に例え、人生を教えています。
何事にも、結果を出すには困難や苦労が付きまといます。その難をひとつずつ乗り越えた結果、喜びを感じるものです。花が咲いた時の喜び、結果に喜べる経験は計り知れないものがあります。
道院長には、道院長にしか味わえない、喜びがあります。善悪(楽しい事、辛い事)の両面があっても、言葉にするなら、「筆舌に尽くしがたし」がぴったりの言葉であると思っています。
道院長を志す皆様が、道院長にしか咲かない花を見ていただくことを切に願い、道院長が全国で「百花繚乱」して欲しいと思います。