vol.75 大牟田新世道院 金森剛道院長 

2021/03/01

大牟田新世道院 道院長 金森剛

生年月日:1974年4月17日
出身地:福岡県
最終学歴:東京クリーニング学校
職歴:自営業(クリーニング業)
拳歴:25年
その他:親子三世代の8人家族で子供は4人

大牟田新世道院 道院長 金森剛

◆36歳という縁

武専の修了寸前、前道院長が亡くなり、同日に副道院長が脳挫傷で入院される、ということが起きました。悲しむ間もなく、同じ道院の門信徒が、協力するから後を継がないか、と言われ、36歳のときに道院長になりました。開祖が金剛禅を開いたのも、前道院長が道院を開いたのも36歳のときだったということもあり、何かの縁を感じ、一念発起して道院を引き継ぎました。

◆彼らは私の鏡です

指導で心掛けているのは、「先ず真似させる」ということです。真似をする方に気付きがあるのはもちろんですが、良くも悪くも、真似をされれば、された方にも気付きがあります。先輩が後輩を教えるとき、それぞれの門信徒の癖が出ます。体で言うなら拳の位置、姿勢、足の向き。もちろん態度や発言など、全てにおいて癖が表れてきます。彼らは私の鏡であり、参考にすべき対象です。指導しながら、実は自分自身が修行していると感じています。

◆「私たちが力になりますから」

道院運営をしていて特に嬉しかったのは、小学校や中学校に進学し、クラブ活動で離れた後に、高校生や社会人になり、もう一度修行を再開してくれた門信徒がいたことです。また、前道院長が亡くなり、後輩から「私たちが力になりますから」と言われたときは、少林寺拳法をやっていて良かったとつくづく思いました。

◆豪雨被害で感じた道院長同士の繋がり

私が住んでいる福岡県大牟田市では、2020年7月に、記録的な大雨により甚大な被害を受けました。私と同じく自営業をされている方々の中には、後継者問題、大雨の被害で廃業される方もいらっしゃいました。

私の仕事場も、大きな被害ではなかったものの床下浸水に遭いましたが、道院長の先生方から「大丈夫か」「何かあったら遠慮なく言ってくれ」と心配していただきました。道院長同士の温かい繋がりを感じ、嬉しく思いました。

◆一生懸命にやり続ければ、必ず見ている人がいる

仕事の中でやりがいと感じ、喜びだと思うのは、人から喜ばれることです。少林寺拳法でも同じです。後継者に技法の楽しさ、金剛禅の教義の素晴らしさを伝える技術を磨くうえで、私自身が楽しく修行しなければ、拳士には伝わらないと考えています。また、仕事も少林寺拳法も、何事も断らずにやってみるということは大切だと思います。やっていけば、必ず見ている人がいます。一生懸命にやり続ければ認めてもらえる。この一つひとつの積み重ねが大事であると感じています。