vol.79 諫早東道院 栗林伴式道院長 

2021/11/01

諫早東道院 道院長 栗林伴式

生年月日  1974年9月4日 

出身地   長崎県諫早市

学歴    私立 創成館高等学校 卒業  九州観光専門学校 中退

拳歴    1983年  諫早東道院  入門

1999年  福岡中央道院 転籍

2007年  諫早東道院  転籍

2013年  道院長交代  正拳士 五段 中導師

2015年  大拳士    允可

2017年  大導師    補任

2019年  六段     允可

諫早東道院 道院長 栗林伴式

・道院長になろうと思ったきっかけ

私は8歳の時に現在の諫早東道院に入門しました。その後10年ほど修行した後に故郷を離れ、それと同時に少林寺拳法からもしばらく離れていました。数年後、運動不足もあり、もう一度武道を始めようと近隣の他武道の道場を何カ所か見学しました。しかし、なぜなのかは分かりませんが他武道を実際に見て、様々な説明を聞いても、しっくりこなかったのです。そこで今一度原点に立ち返り、少林寺拳法の道院を探し浦(うら)一(はじめ)道院長(福岡中央道院)の下で修行を再開しました。福岡中央道院での数年間の修行を通じて、浦道院長の少林寺拳法に対する姿勢や、周囲の人々への接し方を目の当たりにし、まさに自他共楽を地で行く人間性に深く感銘を受け、道院長になろうと決意しました。その後、仕事の都合で故郷に帰り、元の諫早東道院に転籍しました。故郷で新道院の設立を考えていたのですが、諫早東道院の前道院長より交代の申し出を受け、道院長になりました。

・道院での指導

人間は顔形が違うように、皆それぞれが違います。門信徒一人ひとりに合った指導の方法や伝え方などを常に考えながら指導するようにしています。将来この可能性の種子たちが広い社会で大いに活躍していけるように導いています。道院という小さな社会を通して仲間と修行することの楽しさや、人と接し相手を敬うことの重要性などを学び、常に相手の立場に立って物事を進めることができる能力を身につけ、そして周囲の人々と調和していける人間に育ってくれるように努め、指導にあたっています。

・道院長としての今後の目標

道院長としては、できる限り組演武を続けていこうと思っています。門信徒の手本となるように常日頃から道院長である自分自身が動いている姿を門信徒に見せ続けるということが大切だと思っているからです。幸せなことに、私には演武を組んでくれるパートナーがいます。15歳年下なので少々体力的には苦しい時もありますが、自分の体力をうまくコントロールしながら、技術面、精神面ともに「老練」の域に達することを目標に今後もより一層内容の濃い修行に取り組んでいきたいと思っています。

・道院長としての幸せ

道院長として幸せに感じるのは、たくさんの子供たちの成長を見続けることができるということです。入門時には右も左も分からなかった子供たちが、少しずつしっかりとした「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」に成長し後輩の指導ができるようになる。そうした、教えたり教えられたりする繋がりの中で調和の思想を学んで行く姿を見続けることができるということに幸せを感じます。そして将来、この門信徒たちが道院で学んだ調和の思想を一般社会で大いに発揮して、周囲を幸せにしていけるリーダーに成長していく姿を夢見ることが私の道院長としての幸せです。

・夢の専有道場

道院長になろうと決意した時から、専有道場は夢でした。道院長になってからはどうすれば専有道場を持つことができるか、ということを常に考えていました。そんな折、会社である程度のポジションを頂いたので、新社屋設立プロジェクトを立ち上げ、そこに多目的ホールと称した空間を組み込みました。このホールが専有道場です。夢を叶えるには7年かかりましたが、現実のものとなりました。

・道院長の世界を見てほしい

私は「経験に勝る学問は無い」と思っています。どんなことでも経験して初めて身につくと思っているからです。また「人間が立場をつくるのではなく、立場が人間を育てる」というのも私の経験上の見解です。道院長という新たな立場が、その立場に立った人間を道院長へと成長させてくれます。道院長という目指すべき目標があるのであれば、とにかく前へ進み経験を積んでみてください。その先には一歩踏み出した者にしか見ることができない新たな世界、1万人に1人の「道院長の世界」が待っています。