vol.81 太田西道院 上西貴博道院長 

2022/03/01

太田西道院 道院長 上西貴博 

生年月日:1977年12月15日

出身地:北海道札幌市

最終学歴:室蘭工業大学卒業

職歴

2000年4月 自動車部品会社 入社

2010年3月 自動車部品会社 退職

2011年1月 整体院開業

拳歴

1985年 入門 札幌南郷道院

1991年 休眠

1996年 復帰・転籍 室蘭工業大学

2000年 転籍 桐生道院

2006年 転籍 宇都宮北部道院

2008年 転籍 桐生道院

2014年 五段 允可

2016年 道院設立 太田西道院(正拳士 五段 中導師)

2020年 大導師 補任

太田西道院 道院長 上西貴博 

・道院長になったきっかけ

 現在は整体の仕事をしていますが、会社員時代は、夜中の12時を超えて帰宅するのが当たり前、道院の修練日は周りの了解を得て、仕事を抜け出して修練に参加し、また会社に戻るという生活をしていました。そのような中、「もし、今後修練を続けられず、仕事のみの人生となってしまったら、必ず後悔する」という思いが段々強くなり、10年務めた会社を辞めました。その際、次の世代に金剛禅の教え、技法の楽しさ、素晴らしさを伝えるため、道院長になろうと決意しました。

・心合わせる合掌礼

合掌礼は形だけにならないように、普段の修練から大切に行うように指導しています。相手と呼吸を合わせながら合掌礼をし、2秒間ピタッと止める。その間に「お願いします」「ありがとうございます」の心を込めます。そうすることで、相手と心が合わさり、お互いに高め合う気持ちが強くなり、その後の修練の心の在り方も変わるからです。体験に来られた小学生と保護者の方に何度もやってもらい、初めてピタッと揃ったときに気持ちが合わさったのを感じ、感動され思わず声を上げた保護者の方もいます。

・道院長になってよかった

ある日、道院の中学生拳士と歩いていた際、遠くに見えるアパートから1人の男性が出てくるのが見えました。普通は挨拶しない距離だったのですが、中学生拳士は「こんにちは」と大きな声で挨拶をし、向こうの方も挨拶を返してくれました。「知り合いなの?」と聞くと、「いや、知らない人。先生、挨拶が大事だって法話で話してたじゃないですか。先生が言ったことは全部、覚えているよ。」との返事。金剛禅の教えを日常生活に活かしている瞬間を目の当たりにして、道院長になって本当に良かったと一人で感動していました。

・今後挑戦したいこと

外国人の方が入門したのをきっかけに、修練の合間の5分間、その方と皆で、英語を勉強しています。将来的には、英語だけの修練の日を作るのが1つの夢です。また、いずれはその5分間を使って、他の拳士も学校で学んだことや好きなことを発表、またはシェアする場を作りたいと思っています。そうすることで、この5分間をマネジメントしている人が先生になり、お互いに高め合え、自信にも繋がります。小学一年生でもプレッシャーにならず、楽しんで先生ができる工夫を現在模索中です。

・将来道院長を目指す拳士へ

教えの理解度や技法のレベル、道院を率いる責任感など、自分の足りないところを見て不安を感じ、一歩踏み出せない拳士も多いと思います。しかし、道院長になった後でも追い求め続けている間に自然に向上します。まして、道院長になったのだから、という想いがあれば、確実に向上します。そして、自分の想いと行動があれば、周りが必ず助けてくれます。ですから、少林寺拳法の教えと技法を次の世代に伝えたいという想いがあるのなら、是非、道院長になってください。そして、堅苦しく考えずに自分なりの道院長を目指し、自分なりの道院づくりをしていけばよいと思います。共に人生が豊かになる人づくりの道を歩んでいきましょう。