8月23日から7日間の日程で、日本全国から集まった少林寺拳法を学ぶ高校生拳士58名と、団長の五十嵐善一郎全国高等学校少林寺拳法連盟会長、顧問の宗由貴少林寺拳法グループ総裁ほか、引率教師とスタッフ総勢71名の訪中団が、北京・登封・鄭州・上海を訪問した。
本団は、少林寺拳法が組織する若者を中国に招待したいという中国駐日大使館の意向を受け、中日友好協会による現地受け入れの協力を得て実現したもので、当初の参加者募集定員に対し2倍以上となる102名の応募があった。
◆異文化交流を前に
中国訪問前日の東京での事前学習会で、宗由貴少林寺拳法グループ総裁は、「近年増加する中国人観光客の多くが、日本に対して来日前よりも大幅によい印象を本国に持ち帰っている。一方、中国を訪れる日本人観光客は激減し、ありのままの中国の社会と人々の様子が日本側に伝わらず、一部の偏向報道が鵜呑みにされているケースが少なくないのは、とても残念なこと。父である少林寺拳法創始者・宗道臣とともに初めて中国を訪問したのが、今回の訪中団団員と同年代の17歳だった。感性豊かな高校生時代に、異文化を自分の目で見て、触れ、感じて、友達をつくることは、将来への貴重な体験になると思う」と語った。
◆日中の高校生による盛りだくさんな次世代交流
中日友好協会が主催する歓迎レセプションで北京の高校生と交流し、鄭州では現地の高校を訪問、中国の高校生とペアになって授業に参加し、高校生の各家庭でホームステイを行った。ホストファミリーも交えての送別会では、両国の若者同士が互いに心を開いて打ち解け合い、一緒にダンスや歌を楽しみ、広い会場は溢れんばかりの熱気に包まれた。
また一行は、宗道臣ゆかりの地「嵩山少林寺」を訪れ、北京で「万里の長城」「故宮博物院」を見学し、上海では「雑技」を観覧して見聞を深めた。中国の歴史の重みを実感すると同時に、各都市の街並みと現代中国の活気に満ちた姿に触れた。
◆旅を終えて
アンケートとレポートによる高校生団員の感想を総合した結果、訪中する前とあととでは、中国に対するイメージが大きく変わったと感じていることが分かった。「スケールの大きさに驚いた」「日本とは違うパワーを感じた」「ホストファミリーの温かさに触れ、すべての不安が吹き飛んだ」「日本の家族・友人や周りの人に自分の体験を伝え、中国に対する偏見や誤解の解消に役立ちたい」。いずれも日本の将来を担い、日中友好とアジアの平和、ひいては世界の平和を切り開く、エネルギーに満ちた感想の数々が寄せられた。
鄭州市回族高等学校(鄭州市第六高校)での演武披露
日中高校生のペアリング
日本側生徒による「ありがとう」
日中高校生による「リトルアップルダンス」