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一期一笑

2010/11/19

vol.13 拳のつながり

vol.13 拳のつながり

ある日の昼下がり、携帯電話に着信と留守電が入った。留守電を聞いてみると受験勉強のため休眠していた3人の中学生拳士の1人からだった。その拳士に電話をかけると、3人の中学生がそれぞれの志望校に合格したとの知らせであった。そして、今から私の家に来てくれるというのだ。わざわざ、報告に来てくれることに感謝しな…
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2010/09/19

vol.12 合掌礼

vol.12 合掌礼

いつだったか、拳士仲間でスナックに飲みに行ったときのことだ。店を出て合掌礼を交わしたところ、見送りにきた女の子たちに大笑いされてしまった。ふだん自覚しないが、外部の人の目には奇妙な習慣なのかもしれない。1995年のいわゆるオウム事件の後、ある大学の少林寺拳法部では、「駅や街頭では合掌礼をしなくてもよ…
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2010/08/01

vol.11 コンカツ

vol.11 コンカツ

コンビニと宅配便は、見事なまでに生活に浸透した事業である。便利さの追究が、小売業・流通業を根元から変革したのであろう。先日、コンビニに寄った。特別な目的など持たず、ふらりと入店、何となくボトル茶を庫より取り出し、レジに並んだ。大型チェーンの店、もちろんレジの向こう側のバイト君は、無機質に正統派マニュ…
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2010/07/01

vol.10 武専修了

vol.10 武専修了

合掌。はじめまして。修了式当日、やっとの思いで兵庫武専の研究科4年の出席が7回となりました。残念ながら式では、証書は頂けませんでした(当たり前ですね!)。しかし、わが家へ帰ると、子供たちから「卒業おめでとう」と、かわいいデコレーションケーキのプレゼントを受けました。父子家庭の中、いろんな出来事をつく…
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2010/06/01

vol.09 今が一番動ける時

vol.09 今が一番動ける時

道を歩いていると、大きな荷物を抱え片足を引きずって駅に向かうご婦人を見かけました。お声をかけて途中までご一緒しながらお話していましたら、私もお会いしたことのある有名な義肢装具士の所に行かれるところでした。膝(ひざ)を悪くされていて、京都の知人の紹介で神戸から75歳とご高齢ながらお一人でいらしていまし…
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2010/05/01

vol.08 出店が結ぶ人の縁

vol.08 出店が結ぶ人の縁

本山達磨祭に兵庫県教区として初めて参加しました。父が兵庫県教区役員をしていることから、地元の「姫路おでん」を作りました。前日から、姫路近隣の道場の保護者と一緒に大根や卵の殻をむき準備しました。ふだん、地元の「開祖デー」の出し物として取り組んでいるので経験はあったものの、5品で500人分のおでんは半端…
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2009/11/01

vol.07 不立文字

vol.07 不立文字

事情があり休眠してしまいました。新入門の三人ほどいた元気な高校生たちは続いているだろうか。70歳で入門してきたTさん、まだいらっしゃるかなぁ。復帰の少し前に話を聞いて驚きました。Tさんが初段にチャレンジ、それも道院長のご配慮で、帰山して受験するというのです。あぁ、もうあれから1年半近くもたつのでした…
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2009/09/01

vol.06 募金活動で得たもの

vol.06 募金活動で得たもの

町田南道院は、5年前から骨髄バンクへの街頭募金を開祖デーの活動として行っている。今年はあいにく雨が降る悪天候であったが、少年部から一般部まで40人が参加してくれた。街頭募金という活動は、参加者がみるみる変化していくから面白い。最初の変化は声がだんだん大きくなっていくこと。初めは恥ずかしさがあり、なか…
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2009/07/01

vol.05 左手で箸

vol.05 左手で箸

左手でも箸が使えるようにと訓練を始めてすでに20数年。今では両手で自由に操れる。それでも最初のころはやはり苦戦した。慣れない左手での操作という以上に、右手の「出しゃばり」に手を焼いた。不器用な左手をかばおうとしてやたら出しゃばる右手。持った茶碗を無意識に口に近づけようとする。「利き手」である右手で箸…
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2009/05/01

vol.04 「翌檜」……あすなろ

vol.04 「翌檜」……あすなろ

今日もまた、練習場の外にも聞こえる甲高い子供たちの気合い……息子二人と入門してはや1年半がたちました。最初、恐る恐る参加してどうしたらいいのかわからなかった息子たちが、今ではすっかり溶け込み仲間と走り回っている姿は、感動以外の何物でもありません。東京都大会に加えていただいた息子は、未熟ながらもものお…
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2009/03/01

vol.03 思わず出た目打

vol.03 思わず出た目打

私は、春に不審者に出会いました。時間を忘れて友達と遊んでいたので、少し暗くなり始めていました。家の近くまで来たとき、自転車に乗った男の人が近づいてきて、突然声をかけてきました。「お母さんが事故を起こして病院に行ったから、一緒に病院へ行こう」と。「お父さんに連絡して聞いてみます」と言ったら、その男の人…
一期一笑

2009/01/01

vol.02 私の居場所

vol.02 私の居場所

流れる汗も気にせず思いっきり体を動かす。何て爽快なのだろう。どんなに疲れていても、学校で嫌なことがあっても、私の足は稽古に向かうときに軽快になる。そこに私の居場所があるからだ。鎮魂行では、まだ読本や教典を持っていない新入門の子のところに、気づいた子がさっと行って読本を貸したり、相手が小さい子だと、読…