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法を問い学を修める

2016/10/01

vol.48 修行の目的と手段

vol.48 修行の目的と手段

 多くの禅僧の伝記を掲載している伝灯録に南嶽懐譲(なんがくえじょう)と馬祖道一(ばそどういつ)との問答が載っています。  「道一がまだ悟りを開く前で、伝法院で学んでいるときのこと。彼は毎日、一生懸命座禅を組んでいた。そこを通りかかった懐譲禅師が聞いた。  『お前は何を求めて座っているのか』 …
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2016/08/01

vol.47 布施行のすすめ

vol.47 布施行のすすめ

 報道によると、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)世界最大手、米フェイスブック創始者のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)(31)は、自身と妻が持っている同社の株式のほぼ全てを、慈善事業に寄付すると発表しました。 寄付するのは二人が保有する株式の99%分で、時価総額は450億…
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2016/06/01

vol.46 皮肉骨髄の訓戒

vol.46 皮肉骨髄の訓戒

 達磨大師は中国の梁の時代に正法を伝えようとはるばるインドからやってきて、武帝との有名な問答で理解を得られず、梁都を去って魏の国へ行った。よく達磨図に、葦の葉に乗って川を渡る姿が描かれているのは、このときのことだという。達磨大師の弟子に慧可、道育、尼総持、道副という四人の弟子がいた。有名な「皮肉骨髄…
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2016/04/01

vol.45 真純単一に

vol.45 真純単一に

 教範の「金剛禅の主張と願い」の項では、「金剛禅と云うのは(中略)、生きている人間が、拳禅一如の修行をつみ、不屈の精神力と金剛身を養成し、まず己をよりどころとするに足りる自己を確立し、そして他の為に役立つ人間になろうという、身心一如・自他共楽の新しい道であり(中略)、現世に於て平和で豊かな、理想境を…
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2016/02/01

vol.44 「全ては自らのことなり」

vol.44 「全ては自らのことなり」

「命のある間は死ぬのではないのだから、死ぬ死ぬ、とむやみに言うものではない」「人間死ぬまでは負けたのではない。生きている間は何度でもやり直せる。諦めるな」「人間は、ダーマの分霊を受けたすばらしい存在である。自らの可能性を信じることで、他人も認めることができる」「搾取、支配のない理想社会、理想境となる…
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2015/12/01

vol.43 「人、人、人、すべては人の質にある」

vol.43 「人、人、人、すべては人の質にある」

 昨年末から年明けにかけて結婚式の招待を受け、UAE(アラブ首長国連邦)のドバイに行く機会を得ました。新郎は、イタリア系カナダ人、新婦はアラブ系パレスチナ人で国籍はヨルダン、住まいはアブダビなのですが、親戚の多くがドバイ在住で、家長にあたる方がドバイということからドバイでパレスチナ式(新婦の父上はパ…
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2015/10/01

vol.42 教範に帰る

vol.42 教範に帰る

 北陸新幹線が今年の3月14日に金沢まで開業したことにより、北陸への企業誘致も進んでいます。私の地元、黒部市でもファスナーやアルミ建材で有名なYKKが本社機能を黒部事業所に移すことになり、社員だけでも約200人が富山に転居されます。そのおかげもあり、住宅の新規着工は伸びているそうですが、工務店さんの…
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2015/08/01

vol.41 仏滅って仏教じゃないの 宗教習俗

vol.41 仏滅って仏教じゃないの 宗教習俗

 私の住む富山県黒部市に、新幹線がやってきました。東京から長野までの長野新幹線が、金沢まで延びて北陸新幹線の開業となったのです。最寄りの黒部宇奈月温泉駅から東京まで乗り換えなし、2時間20分ほどで行くことができます。しかし、このような最先端の科学技術を駆使した土木工事でさえ、起工式では鍬入れや玉串奉…
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2015/06/16

vol.40 落語のルーツは仏教のお説教

vol.40 落語のルーツは仏教のお説教

「エー、小噺を一つ」といった「まくら」から始まったりする落語という話芸のルーツも、仏教にあるといわれています。落語家が寄席で落語を演ずる席を「高座」といいますが、聖徳太子が「高座」でお話をされたという記述が残っています。もちろん、聖徳太子が高座で落語を演じられたわけではありません。聖徳太子は修行僧な…
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2015/04/14

vol.39 「自己確立」と「自他共楽」

vol.39 「自己確立」と「自他共楽」

自利と利他という言葉がある。一般的に自利とは自分の利益のこと、私利ともいい、利他とは自分を犠牲にして他人の利益を願うこととある。ところが仏教辞典で調べてみると、仏教的立場からやや違った解釈がなされており、以下のように訳されている。自利とは自己の修行により得た功徳を自分だけのものとして受け取ること、ま…
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2015/03/05

vol.38 「理想境」と「理想郷」

vol.38 「理想境」と「理想郷」

今更ではないが、金剛禅の教えの根幹は釈尊の正しい教えを現代に生かすことであり、それは揺るぎない自信(自己確立)を基に、半ばは我が身の幸せを、半ば は他人の幸せを、心から願い(自他共楽)実践行動していくことにより、争い事のない平和で豊かな社会を現世に建設することを目指す、行動する宗教であると いえる。…
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2014/12/01

vol.37 「武人」と「文人」

vol.37 「武人」と「文人」

「武人」と「文人」、広辞苑などの辞書を見ると「武人」とは、戦争に携わる者・軍人・武士・もののふと記述されている。また、「文人」とは、文学に携わる者・学問や芸術に携わる者とある。元来「武人」・「文人」という熟語は中国において対比的な表現として用いられている。「武人」の定義はほとんど変わりはないが、「文…